Arashi Moritomo 30th Anniversary インタビュー

―今回、サイボーグ009とコラボされていますが?
以前、石森プロの人が俺のライブを観にきたんだ。
その時に、今年、石ノ森章太郎さんが生誕80周年を迎えるという話をされて、森友嵐士ソロで何か面白いコラボレーションできたらいいですね?っていう話になったんだ。
石ノ森章太郎さんといえば、仮面ライダー、人造人間キカイダー、サイボーグ009とTVや漫画の中で何気なく正義っていうものを、幼少の凄く多感で吸収力の高い頃に見てきた世代だから是非何かをと思ったんだ。
…そんな話がある中で
その頃はT-BOLANの30周年のテーマを考えている時期だったんだけど、 『バンドって家族みたいなもので』「励」ます力、「励」ましあう力っていうものが 一番根っこにあるなって感じてて、T-BOLANだけに関わらず 例えばLIVEでもオーディエンスとのエネルギーの連鎖があったり、ファンレター1通でも力もらったりする時もあるし、色々な場面で、誰かが誰かを励ます時、励ましてる側も、実は相手から力をもらってたりするという、それが今回のT-BOLAN復活には一番根っこにあるエネルギーなんじゃないかな?って感じてたんだよね。
そんな事を考えている時に、ちょっと待てよ今回の30周年テーマもしかりなんだけど、T-BOLANメンバーもそれぞれ同世代で、幼稚園、小学校、中学校と石ノ森さんの漫画を通して正義感を育てられた世代だなって…。
改めて原作本も取り寄せて見直したりしたんだけど、それを読んでいるうちにソロじゃなくてT-BOLANだと!
今回コラボするサイボーグ009にも正義とはなんなんだ?仲間とはなんなのか?ということが色々な場面に描かれてて、9人の個性、役割、関係性、重ね合う力が描かれてて、T-BOLANは004だけどオーディエンス、スタッフも含めて00∞(笑)
関係性がとても似てるなと思ったんだよね。

―今回のビジュアルに4色の色が使われてますが?
昨年T-BOLAN再始動から夏の終わりにアコースティックツアーを経て
T-BOLANの第2章が始まる感じがしていて、改めて4人で出来る事を自由なイメージで広げていて、直感なんだけど4人のエネルギーを色にしたら面白いなと思って、五味はマゼンタ、青木はオレンジ、上野はグリーン、俺はターコイズブルーって色を感じて今回のビジュアルに色を取り入れてみたんだ。

―中野サンプラザの会場にも飾られている 墨象の「T-BOLAN」〜第二章始まり004×00∞〜にも色が入っています
墨象はね、その時に描きたいと思った時に描きに行く(笑)俺にとって、表現の中で今、何よりドキュメントだからね。その時は単純に-励-をキャンバスにおとしたいと思って行ったんだけど…。
これは後で気づいたんだけど、もともと墨象を始めるきっかけが、俺の声が出るようになった頃に広島の仲間からバースデープレゼントで、復活T-BOLANっていう色の入った墨象をプレゼントされて、それがきっかけで今の師匠に出会って始める事になったんだ。
今回-励-を描いたら、T-BOLANも描きたくなって4人の色もおとしたんだよね、多分根っこに第二章の始まりだったり、なんか筆が呼んだんだろうね。

―発表された新曲についてお聞かせください
新曲の「Re:I」もそのビジュアルをスタジオに貼ってイメージしながら楽曲作りをしたんだよね。
昨年は「ずっと君を」で久しぶりの新曲でバラードをリリースしたけど、今作はこのビジュアルに合う曲をイメージしていたら、自然と「SHAKE IT」、「Be Myself」以来のアッパーなRockになった。T-BOLANの後期もMVやジャケットに色を入れ始めた時期だったから、何かつながっているんだと思う。全ては自分の潜在意識の中にあるようなもので自分でも笑うよ。時間の流れって面白いよ。
歌詞は具体的には表現していないけど、テーマの軸は「励」で上野に向けて書いた部分が大きいんだ。そこに、サイボーグ009や宝珠石物語(注1)だったり、リアルにその時に自分の周りに起きている事や想いが混ざり合い、重なり合って、一つの形になったのが「Re:I」なんだ。

―Rock’n’Roll Starというフレーズが印象的ですが?
一人一人が自分の力を最大限に発揮する、それは役割の種類でも、大きさの大小でもなく、その人がその人なりの光り方をする。
これが「誰の胸にもRock’n’Roll Star」
ステージの真ん中に立って俺がRock’n’Roll Starって言ってるわけじゃなくて、君も、君も、君も、全員の「ここに」Rock’n’Roll Star はいるよっていう歌なんだよね。最近知ったんだけど、上野からステージに上がる前は「俺は世界一、世界一のベーシスト」って、自分に唱えてからステージに立ってたって聞いて(笑)
上野、もっとRock’n’Roll Starを引きずり出せ!って想いだったりするんだよね。足らないことを悔やむのではなく、今できること、奴が今、一歩一歩進化している自分自身を褒めてやって欲しいなって。そして、今一緒にステージでみんなと再会できることを、何より楽しんで欲しいなと思うんだ。

―最後に23年ぶりの全国ツアーを発表されました
最近、人生の時間は本当限られてるなって感じてて…。
ソロでいろんな場所にLIVEに行くと、今日初めて会えた人がいて、もしかしたらもうこの人とは二度と会えないかもしれないって感じたりすると、この時間はすごく大切な時間なんだって…、そう思うんだよね。
90年代まだまだ会えなかった人たちが全国に一杯いて、いよいよT-BOLANとして準備万端、整いましたので、皆さんのところへ会いに行きます。今日出会えた喜びを大切にする時間、そんなツアーにしたいと思ってます。

注1)
2017年7月5日に発生した、九州北部豪雨災害。 最も被害が大きかった地域のひとつに “小石原焼”と呼ばれる陶器の産地「東峰村」があります。
そこで行われる村おこし、九州北部豪雨災害復興支援復興支援イベントにて、応援番長や宝珠石物語のストーリーテラーとして、 森友嵐士が活動しています。
URL http://hosyuseki.com